こんにちは、なかねです。
今日は「小さな会社の生き残る社長と潰れる社長の習慣」という本を紹介したいと思います。
今回なぜこの本を紹介しようと思ったのか。
この本はタイトルの通り中小企業の社長向けの本ですが、そうでない人が読んでも学びがあります。
そしてなにより林業は大多数の会社が中小企業です。
僕も本書を読んで今後会社をどうしていくのか考える部分が多くありました。
なので林業をする方には一度読んでほしいと思い本書を紹介しようと思います。
この本はどんな本か?
本書の著者である奥村聡さんはかつて司法書士事務所を開業、経営は順風満帆でしたが規模を拡大しすぎたため経営が不振になったそうです。
廃業を覚悟しましたが運良くM&Aで同業の大手グループに事業を売却できましたが
「なぜうまく経営できなかったのか」
「どこで間違ってしまったのか」
後悔のような問はその後もずっと続いたそうです。
その後は経営コンサルタントに転身、M&Aや廃業、社内承継など「会社の着地」の場面を中心に1000社を超える支援実績を有してきました。
本書はそんな著者の実体験と相談実績から書かれた中小企業向けの経営指針のための1冊です。
本書のポイント
本書の構成を簡単に分けると以下のようになります。
・ロングライフ戦略をとるべき
・社長が「従業員」「取引先」「銀行」とどう向き合うか
・会社の終わりを創造する
順番に見ていきましょう。
ロングライフ戦略をとるべき
ロングライフ戦略をとるとはどういうことか?
簡単にいえば長く続く経営戦略をとろうということになります。
「そんなの当たり前だろ!」という声が聞こえてきそうですが、本書で書かれている長く続くための戦略の前提は
・会社として派手で目立たなくていい
・規模を大きくしなくていい
・たくさん儲けなくていい
となってます。
というのも一般的には会社の存続や利益拡大のため、従業員の獲得や新規事業への進出、勢いを重視した経営戦略になりがちです。
ですが本書では中小企業においてそういった戦略をとることが悪手になり得るとされてます。
それよりは小規模で小さく得意分野で淡々と利益を出し続け、息を長く経営し続けていくというのがロングライフ戦略になります。
社長が「従業員」「取引先」「銀行」とどう向き合うか
本書はタイトルにあるとおり社長のための目線で書かれた本です。
ですが従業員である僕が読んでも参考になる部分が非常にたくさんあります。
それは普段の会社を運営するにあたり社長が「従業員」「取引先」「銀行」に対してどのように接していくかのイメージがつかみやすくなります。
▼なぜつかみやすくなるのか?
・本書は過去の相談のケースを具体的に書いてあるので状況をイメージしやすい
・また中小企業は社長と従業員との距離が近いことが多い
そのため本書を読んだ後だと、普段の会社の経営方針や社長の判断のバックボーンのイメージが理解しやすくなります。
またそれぞれと社長がどのように向き合うべきなのかの指南書にもなっています。
会社の終わりを創造する
これは社長が社長業を終える時に会社をどうしていくのかを考える章で、僕自身本書の中でかなり考えさせられたところです。
社長が社長を降りても会社は残ります。
そこを成り行きに任せるか、事前に準備をしておくかで運命が大きく変わることが実例をまぜて書かれています。
また会社を継承するだけが正解ではなく廃業や売却など、言葉だけではネガティブなイメージのものがどのようにすれば会社の幕引きとしてふさわしいかが紹介されてます。
読んでみた気づき
今僕が勤めてる会社の情報を簡単に言うと
・現在の社長が立ち上げ
・従業員は8名(もう少し人数の拡大を目指す)
・社長と僕自身は年が近いので、社長が引退するときが自分も引退する頃合い
まさに本書の条件にピッタリの条件で働いてます。
そんななか本書を読んでいくつか思ったのは
▼どこまで従業員を増やすのか?
いまうちの会社は従業員を増やそうと考えてます。
現状考える理想人数は15人程度で実働班を3〜4班ほどに増やして行こうと考えてます。
しかし本書を読んでこの考え方が少し揺らいできました。
たしかに少人数で変化がなく続けていけばマンネリ化し、個々の成長も早い段階で頭打ちになるでしょう。
ですが人材確保をして拡大することが正解なのか?
正直答えは出ませんが、今後を考える一助にはなりました。
▼終わりをどうするかについて考え出す
本書を読むまでは自分は60〜70くらいの間で引退するくらいの程度でしか考えてませんでした。
しかし上にも書きましたが社長と僕は年齢が近いです。
社長が引退する時には自分が引退する頃合いも近いので、その時に会社をどうしてくのか。
下へ譲る準備を整えるべきなのか、それとも廃業に向けているべきなのか。
ここは今すぐ答えが出る部分ではありません。
ですが長く会社を続けて行く上で考えておかなくてはならないことだと思いました。
まとめ
本書は50の項目で社長の取るべき習慣が書かれていますが、全てがみなさんに納得できるものではないかもしれません。
実際僕も読んでみて「この事例はそうでもないんじゃないか?」というのもいくつかありました。
それでも全体を通してみると今までと違った目線で経営環境を考えることができましたし、自分の働き方の終わりについての助けにもなりました。
みなさんにも参考になる考え方が多々あると思います。
中小企業が多数を占める林業従事者の方にもぜひ読んでいただきたい1冊です。
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