第11話:令和の林業は未だに3Kなのか?

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こんにちは、なかねです。

林業も建設業などと同じ第一次産業ですが、これらの業界にはタイトルの通り3K「キツイ、汚い、危険」などのイメージを持ってる人も多いのではと思います。

ですが1980年代に生まれたこの言葉は令和の今の林業にも当てはまるのでしょうか?

働きながら感じたことを書いていこうと思いますのでよろしくお願いします。

そもそも3Kってなに?

まず3Kの定義について確認しておきましょう。

3Kとは労働条件が厳しい「キツイ」「汚い」「危険」の頭文字を取った言葉で、若年層が敬遠する職業を指し建設業や介護職、清掃業や警察官などを指すとされています。

1980年代のバブル期に華やかな仕事に人気が集まる一方、労働環境が職種が敬遠されこのような言葉が生まれたそうです。

ただ令和の今では「新3K」と呼ばれるものに変化もしてきています。

「帰れない」「厳しい」「給料が安い」となり主にホワイトカラーに使用されるものになってきています。

また「3K」と「新3K」をあわせて6Kと呼ばれることもあります。

それではそれぞれについて見ていきましょう。

「キツイ」のか?

肉体的には?

現場で体を動かす仕事である以上肉体的には疲れます。

重さ約5㎏のチェーンソーを振り回し1日中歩き回ります。

1日1万歩は普通に歩いてます。

車から現場まで距離があればチェーンソーや燃料など合計10〜15㎏の荷物を背負って延々30分程歩くこともあります。

また近年では夏は特にキツくなってきました。

空調服無しでは仕事ができないと言っても過言ではありません。

それに雨の日なども要注意です。

雨に濡れながらの仕事は効率が落ちるうえ、ストレスと疲労がとても溜まりやすくなります。

精神的には?

技能が追いついてなかったりすることで焦ったりすることはありますが、基本的に精神的苦痛はそこまで感じません。

まあどんな仕事であれストレスが全く無いなんてことはありませんが…

警備員で働いていたほうがストレスはよっぽど酷かったです。

ですがこれは林業に合う、合わないで大きく変わるのでは無いでしょうか?

最終的に慣れてくる

いろいろ書きましたが仕事として続けていれば、最終的に体が慣れてきます。

他の職種の人から見ればキツそうに見えるかもしれませんが、やってる本人からすれば案外続けられるものなんです。

今までで体力的にキツくて辞めたという人は周りでも聞いたことはありません。

(高齢になって職種を変える等はありますが)

「汚い」のか?

そりゃまあ汚れはする

まあ屋外や山の中で仕事をしている以上汚れはします。

草を刈れば細かい草や土が飛び散りますし、チェーンソーで木を伐れば切粉が大量にかかります。

重機を使用することもあるのでグリスが着くこともありますし、靴が泥にまみれることもザラです。

動き回っていれば冬でも汗ダラダラなことも珍しくありません。

汚れることを挙げていけばきりがないでしょう。

「汚い」と「汚れる」は同義語か?

ですが個人的に思うのは「汚い」と「汚れる」は意味が違うのではと思います。

前述したとおり外仕事である以上汚れてしまうのは仕方のないことです。

ですが汚れた衣類は当然洗濯をしますし、汚れたチェーンソーや重機などの機械類も当然清掃やメンテナンスをします。

また状況に応じて使い捨てのヤッケを着る、長靴に変えるなど汚さない工夫もします。

仕事ができる人の事務所や倉庫をいくつか見せてもらったこともありますが、共通して言えるのはきれいに整理整頓、道具も手入れされているため「汚い」という印象は感じなかったということです。

思うに「汚い」とは汚れた状態をそのままにしているからそう感じるのであって、「汚れる」とは根本的に違うのではと思ういます。

実際僕自身も汚くなるから林業がいやだと感じたことはありません。

「危険」なのか?

危険度はとても高い

正直言って林業はとても危険度の高い仕事です。

高速でむき出しの刃物を扱うチェーンソー作業や草刈り機作業。

木の伐採時には跳ね返りや滑落なども発生します。

また不安定な足元での作業も日常茶飯事ですし、重機の操作による事故も起こり得ます。

書き出したら無限に出てくるくらい林業は危険の多い仕事です。

下記の表は林業の災害発生率を表したものですが、林業の発生率は他の業種と比べてぶっちぎりで高いです。

※林野庁ホームページより抜粋

危険防止への取り組みは?

危険度が高い林業ですが一昔前に比べると安全の水準は格段に上がっていて、危険防止の取り組みも様々導入されています。

例えばチェーンソー作業では足に怪我が集中する事例が多いため、チェーンソー防護ズボンの着用が義務化されました。

また木から丸太を製材する時なども高性能林業機械の導入が進んでいます。

危険度が高いが故に業界全体の安全に対する意識は高く、常に安全のための施策が取り入れられています。

自身で体験した危険な話

最後に僕自身が体験した危険な話を書きたいと思います。

頭上から枯れ枝が落下してきてヘルメットを破損

林業をはじめて3年くらいの時です。

木を伐採した際、伐採した木はなんの問題もなく倒れたのですが、その場で倒れた木の行方を見ていたら頭上から枯れ枝が落ちてきてヘルメットに直撃しました。

おそらく15mくらいの高さだったと思います。

幸い怪我などはなかったですが、その衝撃でヘルメットが割れました。

当たりどころが悪かったり、枝が枯れていなければ大怪我になっていたかもしれません。

これは伐採前に樹上の確認をもっとよくするべきだったのと、伐採後すぐに退避していれば防げた案件です。

伐採中チェーンソーの刃が跳ね返りスネに直撃

別のときですが木を伐採中チェーンソーの刃が跳ね返ってきてスネに直撃したことがありました。

スネに当たること自体は痛かったですが、チェーンソー防護ズボンを履いていたので怪我はしませんでした。

これも防護ズボンを履いていなっかたら何針も縫う大怪我になっていたと思います。

これらのエピソード以外にも危険な話はありますが全て書くとキリが無いのでここまでにしたいと思います。

今後の記事で少しずつ書けていければと思います。

まとめ

ここまで僕が働きながら感じてる林業における3Kについて書いてきました。

「キツイ」「汚い」に関しては人や事業体、取り組み方次第だと感じます。

「危険」に関しては他の職種に比べると圧倒的に高いと言えますが、基本的な安全対策をキチンとしていれば仕事として問題なくやっていけると感じます。

ここまでの記事が林業を考える際の参考になればと思います。

最後までご覧いただきありがとうございます。

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