第12話:その転職理由は山仕事に抱く幻想では?

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こんにちは、なかねです。

みなさんは山仕事にどのようなイメージを持つでしょうか?

広々した自然の中でのびのび働く、憧れた田舎でのスローライフ、煩わしい人間関係から開放されて働くなどのイメージを持つ人も多いのではないでしょうか?

たしかにそれは間違いではないでしょう。

ですがそんな理由で林業を選んで本当にイメージ通りのライフスタイルを送れるでしょうか?

今日はそんな山仕事を選ぶ理由と現実について書いていきたいと思います。

それではよろしくお願いします。

林業への転職理由あるある

自然の中で体を使い開放的に働く

このイメージは一番持たれるものではないでしょうか。

広々とした山の中でのびのび働く。

しかも体を使う仕事なので健康にもいい。

街中で働いてたりデスクワークがメインの人にとっては惹かれるポイントではないでしょうか。

田舎での暮らしやスローライフへの憧れ

都会の喧騒を離れ静かな田舎で暮らしたい。

森林が近くにある環境で暮らしたい。

また地方への移住をきっかけに山仕事にチャレンジしたいといった方も多く聞きます。

煩わしい人間関係から開放されて仕事がしたい

人間関係に悩まされることなく開放的に働きたい。

せかせかと仕事に追われることなくゆったりペースで働きたい。

田舎でのスローライフにリンクしてこのように考える人も多いのではないでしょうか。

イメージとのギャップとは?

悪天候も自然のうち

開放的な自然の中で働くとはみなさんどんな情景を思い浮かべますか?

春先のぽかぽかした陽気の中、たまに吹くそよ風の下仕事をして、お昼ごはんも青空の下で食べる。

そんなピクニック的シチュエーションを思い描くのではないでしょうか?

このイメージは間違ってはいないです。

こういう日ももちろんあります。

ですが当然こんな日ばかりではありません。

むしろ天候が厳しいことのが多々あります。

雨や雪の時はもちろんですが、強風も何気に大敵です。

風が強い時など外で昼ご飯なんてシチュエーションはとても休憩になったものではありません。

車や休憩小屋が近くにある場合はいいですが、山の中に入るとそうしたスペースがないことも普通です。

夏の酷暑なのに日陰が少ない環境になったり、冬の強風の時も風よけが無い中で休憩をとらなくてはならないことも多々あります。

怪我・事故のリスクが高い

外仕事であるため危険や怪我リスクはある程度許容してるという人も多いと思います。

それでも林業は他の業種と比べて事故、怪我のリスクは圧倒的に高いです。

悠々自適に仕事をするイメージがあるかもしれませんが、常に危険予知をして気を張っていなければなりません。

田舎暮らしもそんなに楽じゃない

田舎暮らしを否定するわけではありませんが、のんびり楽して暮らすイメージだけでは正直難しいものがあります。

・車は必須になり、移動距離が増えたり維持費がかかる

・スーパーや薬局など買い物に行くところが遠方になったり限定的になりやすい

・病院や警察署などが遠方になりやすい

などのデメリットもあります。

僕の知り合いの人が娘さんの高校進学を機に田舎から街中へ移り住みましたが、その方曰く

「体力のある若いうちに田舎を経験して、衰えてきたら街中で暮らす選択肢もあり」

と言っていました。

この選択肢はとても説得力があると思いました。

こうあるべきとは言いませんが、田舎暮らしを考えるなら老後のプランまで考えて選択肢を増やしておいたほうがいいと思います。

思ってたより低賃金

林業の年収で検索をかければ金額はさまざま出てくると思いますが、調べて分かる通りそんなに高くはありません。

それでも転職するときには「自然の中で働く仕事だし」とか「スローライフのような仕事だから」など稼ぐイメージとは離れた部分をベースに多少の年収の低下を許容して林業を選ぶと思います。(実際僕自身がそうであったので)

ですが実際働いてみると思うより低賃金だなと感じる部分は出てきてしまうものです。

もちろん会社の取り組みなどで年収アップを目指す風土などもありますが、林業は全体的にまだまだ給与水準が高いカテゴリとは言えません。

大体手取りで20万円の給料で生活を続けていくくらいのイメージで生涯設計を立てるくらいがベターだと思います。

取引先や人間関係の煩わしさからの開放

正直開放されるなんてことは無いです。

まず取引先についてですが建築会社や製材所などの元請けからの仕事が多いため、取引先の規則や要求に振り回されることは多々あります。

まあこれは林業に限らず他の職種でも言えることですが…

つぎに職場での人間関係です。

林業は中小企業がほとんどなので一緒に仕事をする人も自然と少人数になりがちです。

なのでそこで人間関係が悪化してしまうと居場所がなくなりやすくなります。

関わるコミュニティが少人数になってしまうので、むしろ円滑な人間関係をつくることが求められます。

まとめ

今日は少しネガティブな内容になってしまったと思います。

ただ勘違いしてほしくないのは林業を否定しているわけではありません。

僕自身が林業に従事していますし、仕事に魅力も感じています。

ですが7年以上勤めてきて、上に挙げたようなデメリットもあるんだということを実感したのも事実です。

なので林業に対するイメージがいいことばかりで考えていないか、その参考になれば幸いです。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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